Holy Moon



 美しく月が輝く夜、
アルスは人生最大の選択をせまられていた。
その選択とは花嫁の選択である。
幼なじみで気は強いが、やさしく思いやりのあるビアンカ。
面識はあまりないが、清楚で可憐な大富豪ルドマンの娘フローラ。
この2人のどちらかを選ばなくてはならない。

「どちらを選べばいいんだ・・・」
アルスは苦悩の表情を浮かべ頭を抱えていた。
「少し外に出て考えよう・・」
アルスはそう思って部屋を出た。

アルスは宿屋の主人に尋ねた。
「眠れないので少し外に出てもいいですか?」
「ああ、いいぜ。人生最大の選択だからな、しっかりと考えなきゃいけないぜ。もしまた眠くなったらいつでもオレにいいな。」宿屋の店主はそう答えた。
「はい・・どうも・・・」アルスはそう言って宿屋を出た。

アルスは外に出た。
外はさわやかな夜風が吹いていた。
どうやら町の話題は彼の結婚のことでもちきりだった。
「僕の事でこんなに話題になっているのか・・・ ・・・・そういえばビアンカはどうしているんだろう?」
アルスはそう思いビアンカのいるルドマンの別荘へと向かっていった。
そして別荘の中へと入っていった。

「ビアンカ、いるかい?」
しかしそこにはビアンカの姿はなかった。
「どこにいるんだろう?上かな?」
アルスは階段を上がっていった。

そこには淋しげな顔で夜風にあたっているビアンカの姿があった。
「ビアンカ?眠れないのかい?」アルスはそう尋ねた。
「ええ、なんだか眠れなくて・・私・・・もう少し夜風にあたってるわ。 アルス、あなたはフローラさんを選ぶべきよ。
私の事は気にしなくていいわ。今までだってしっかりやって来れたんだから。」
「そ・・そうかな?じ・・じゃあお休み、ビアンカ。」
アルスはそう言って階段をおりていった。

「ビアンカ・・・口ではああ言ってるけど、やはり心配なんだろう・・」
アルスは複雑な思いで別荘を出た。
彼の心はどう動いたのだろうか・・・

「ふぁぁ・・・そろそろ宿屋に戻ろう・・」
アルスは宿屋に戻ろうとした。
しかし、戻ろうとする途中彼は1人の女性を見かけた。

青い長髪、美しい横顔、そう、フローラである。
彼女もどうやら夜風にあたっていたらしい。

「あ・・あれは・・フローラさん!」
アルスはフローラを呼びかけた。
「その声は・・アルスさん?」
フローラはアルスの方へ振り向いた。
そして小走りでアルスの方へ向かってきた。

「キャッ!!」
しかしフローラはアルスの手前で石につまずいてしまった。
「あ・・危ない!!」
アルスはフローラの体を止めに入った。
すると彼女は思わずアルスの胸の中に倒れこんできた。
「!!!!」アルスは非常に驚いた。


「あ・・あの・・・アルスさん・・すみません。私・・・大胆で・・・」
フローラは顔を赤らめながらそう言った。
「い・・いえ・・・僕の方こそ・・・」
輝く月の下で、2人は向きあっていた。

このとき2人の中では大きな何かが動いたようだ。

「フ・・フローラさん・・ここで何をしていたんですか?」
「いえ・・明日の事が気になっていたので・・眠れなかったのです・・・」
フローラはそう答えた。
「そうですか・・実は僕もそうなんです・・でも、やはり早く寝た方がいいみたいですね。 お休みなさい・・フローラさん・・」
「はい・・お休みなさい・・アルスさん・・」フローラはそう言って屋敷へ戻っていった。
そしてアルスも宿屋へと戻っていった・・・
果たして明日、彼はどのような答えを出すのだろうか・・・





 END





投稿者(ヘンリー様)のコメント

これは私が実際にDQをプレイしたときに 考えた小説です。 へなちょこな駄文ですみません・・・ 私は個人的にフローラだけがグッスリと寝ているシーンは どうもいただけません・・・ だからこんな感じの小説にしてしまいました・・・(笑) やっぱりフローラ絡みのイベントもほしかったなあ・・・

管理人のコメント

結婚前夜の解釈は人それぞれありますよね。この夜の出来事が、アルス君には何らかの想いをもたらしたようですが…彼は明日どんな答えを出すのでしょう。その相手が、金髪の美しき幼馴染か、私たちの”女神”か――月だけが知っているのでしょうね。 ヘンリー様、投稿ありがとうございました!








写真提供:「STAR DUST